胡蝶の夢
幕末モノの小説が2つあったので、お盆休みあたりからゆるゆると読み進めていました。 その片方。 画像は第3巻。 アマゾンの写真で一番見栄えが良かったので。
黒船来航で沸き立つ幕末。それまでの漢方医学一辺倒から、にわかに蘭学が求められるようになった時代を背景に、江戸幕府という巨大組織の中で浮上していった奥御医師の蘭学者、松本良順。悪魔のような記憶力とひきかえに、生まれついてのはみ出し者として短い一生を閉じるほかなかった彼の弟子、島倉伊之助。変革の時代に、蘭学という鋭いメスで身分社会の掟を覆していった男たち。
時代モノを読もうとする場合、特に幕末モノを好んでいるのではありませんが、統計してみると幕末モノが多いのは、時代範囲が狭められているのでどんな作品を読んでも大体の背景が把握出来るからなのだと思います。
ただ、司馬遼太郎作品は案外苦手。 何故かっていうと文体が苦手だから。 「間の取り方」がどうしても私には馴染めず、文章通りに読み進めてみると途中で息が詰まってしまうような感じがあるんです。 それと例の「以下余談にて」的な展開もどうかなぁって。
まぁ人の好みはそれぞれですものでアレだけど。
松本良順という人については、新撰組からの経由と、勝海舟からの経由と...あとなんだかんだで...、奥御医師だっていうのは知ってて、奥御医師っぽくないっていうのも知ってはおりましたけれど、そこまでで、興味はありました。
それと、「弾左衛門の謎—歌舞伎・吉原・囲内」だったかを読んだ際、この作品について触れられていたのが印象に残っておりまして、司馬遼太郎作品ではありますが読んでみたいと思った次第だからです。
弾左衛門についての記述は(文庫本でいう)4巻目にありまして、なかなかに興味深かったのですけれども、それよりもなによりもこの作品のコアを為すのが島倉伊之助の存在だと断言しちゃっても構わないのでは無いでしょうか。
語学の奇才、但し相当に捻くれちゃった性格で、Wikipediaを紐解きますと「その言動から自閉症(サヴァン症候群あるいはアスペルガー症候群)だったのではないかといわれている。」とまで書かれてしまい、そのキャラクターの強烈さ(と、損の仕方)がドンヨリとした空気をこの作品にどろりと流し込みまして、なんともいえない窮屈な雰囲気を醸し出しております。
正直、余りに辛くて読むの止めようと思っちゃった程であります。






