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改造への躍動

delicious はてな この記事をクリップ! | 2007年02月11日19:00 | 編集

改造への躍動.

YENレーベルからの1982年作。戸川純、上野耕路に加え、美術・作詞で太田螢一が参加、現代音楽や大陸歌謡、モダンとノスタルジーが一体となり、色あせることのない異色作に。

 もう25年も前の作品。 戸川純のボーカリストとしてのデビュー作で、あまりのインパクトの為に価値観が引っ繰り返っちゃった少年少女を輩出してしまった罪深き1枚。

そうそう、Wikipediaに興味深い一文がありましたね。

...元JUDY AND MARYのYUKIは、小学生の頃、姉が友達から借りたカセットテープに入っていた戸川純の曲を誤って消してしまったことがあったという。YUKIはどうにかしようとしたが、小学生が戸川純の曲を持っているわけがなく、同級生から借りる事もできず、結局、母親にお金をもらって買いに行ったというエピソードを自身のコラムに書いていた。戸川純が当時どういう存在だったかが伺える。

今はこの部分が削除されちゃっているので、これが事実なのかどうかっていうところはありますけれども、まぁ嘘だとしても妙に納得出来てしまう位、当時の戸川純は凄かった。 んで、一番インパクトがあったのが「玉姫様」からのソロワークではなくて、ゲルニカ時代だっていうのが、当時を知るオジサンオバサンの意見が一致するところであります。 いや、一致しないかも知れない、少なくとも私の周りではそうだった。 ゲルニカ凄過ぎだ、って。

あの、独特の演劇系人格(及びボーカルスタイル)は、決してメジャー路線に永続的に載せられるものではなく、どちらかと言えば水面下で蠢くタイプのものかと思われますが、決してアンダーグラウンドのそれじゃぁ無かったようにも思います。 更に思い直してみれば、あの当時あたりからアンダーグラウンドが崩壊の兆しを見せ、メジャーとマイナーが混沌とし始めたのではないかとも。 マイナーのメジャー化とでも申しましょうか、インディーの台頭ともシンクロする...そんな時代でありましたね。

戸川純というキャラクターがあまりに強烈であった為、エピゴーネンが結局その域を脱せない功罪を孕んでしまった、という面も見逃せません。 例えば椎名林檎を初めて耳にした時の私の印象は、「戸川純の発展形」というものでした。 勿論それは二番煎じだという批判めいたものでは決してありませんけれども、ベクトルが同じなので、とてもオリジナルには見えなかった、というところです。

但し、その戸川純本人も自らの束縛にハマってしまったように私は感じました。 もう既に「レーダーマン」の頃から自分のキャラを(確立出来た事は素晴らしい乍も)コピーし始めているように見受けられたんです。 そして私はLPを買わなくなってしまった...。

そういう意味で私にとっての戸川純は、ゲルニカの1枚目における、変幻自在の病的なボーカルスタイルであり、ロリータ歌唱から偽オペラにスライドしていくあのゾクゾク感であります。 強いて言えばその完成形が「隣の印度人」であったかも知れません。

そんな思い出のあるゲルニカ。 初めて見たのはテレビで、午後4時とか5時とかから放映していた若者向けの番組でした。 エレキバイオリンの男生と、明らかに時代錯誤の女性が出てきて演奏をした瞬間、私は凍りつき、演奏が終わった時、感動したんです。 すげー、世の中はすげー、って。




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