STUDIO VOICE 「90年代カルチャー」完全マニュアル
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 12月号
購買意欲の失せる表紙が本屋を飾るスタジオ・ボイスの今月号は、
特集
CUT UP 90'S
「90年代カルチャー」完全マニュアル!
サンプリングとエディットであらゆる領域を再定義したのが90年代ならば、
本当はそこにはなにもなかったと見なすべきなのか!?
オウム事件に分断される形で80年代の残像を断ち切り、
昭和にピリオドを打ち込んだ90年代の正体とはなにか。
マルチメディア、J文学、裏ハラに渋谷系。
日本語ラップの勃興からコムロ商法のJポップ、インディーズ・マガジンの大量
生産が象徴する感性の時代。
相対化された80Sからリアリティの痕跡をとどめた90Sへ、最後の20世紀へ、い
ざ!
基本的にノっているのであればいざ知らず、スタジオ・ボイスの様な少々ブレた雑誌が特集名に「完全マニュアル」を載せるのは危険で、看板に偽りアリとなってしまうと同時に、「完全マニュアル」とでも書かないと訴求力が保たれないと言うジレンマを、矛先強引に捩じ曲げて、痛い程に読者へ感じさせる結果ともなり、悲惨ですらあります。 それがまた面白い。
「90年代」を特集するのは早過ぎる感があります。 というのも、生き証人がまだ沢山存命している訳で、こういう、特に今では何の役にも立たない人達が出来るだけ(死ぬなりして)減ってくれた後に特集されるべきものなのではないかと思うところ。
がしかし、「90年代」を思い出してみるに、「90年代」というキーワードよりも重要なファクターとなるのが「インターネット」なのだという事実に直面せざるを得ません。 要はインターネット「前」か「後」であり、そこに時代性はもう、不要となってしまいました。 ですからスタジオ・ボイスが「90年代」特集を組んだのかも知れません。
収録されている村崎百郎のコラムなぞを読むと、矢張り90年代というものは今では、総括されたのではなく、拡散されて見えなくなってしまった存在なのだと確信してしまいそうです。
私にとって90年代は、ダサい時代でした。





