サイトーという、padma colorsの飼い猫が死にました
< サイトー(猫) 2000.2.* 〜 2006.10.14
飼っている猫が死にました。 奇しくもこのサイトのブログ版の一番最初のエントリーでこの猫の写真を使ってました。 名前は「サイトー」。 人間の苗字を名前にしたのは私としてはなかなかのアイデアだと思っていて、動物病院からのDMなんかで「宮下サイトーちゃん」なんて宛名になっていれば、そのDMを貰ったこっちは大爆笑なんじゃないかって思って。 まぁ猫にとってみれば訳分からない事かと思うんだけど...。
サイトーは貰い猫で、前に買っていたキジトラのメス猫が凶暴化して家出してしまったのの代わり...と言ってはなんだけど、当時私は精神的に脆い状態だったので、常に家に何か動物が居続けてくれればなぁ...という事で譲り受けたどこにでも居る普通の日本猫でした。
前の猫が凶暴化してしまったので比較対象として捉えるのは一寸アレだけど、サイトーは非常に大人しい猫で、殆ど鳴きもせず、余程おなかが空いていたりかまって欲しい時だけ擦れ声で「にゃぁぁぁ」と鳴く程度。 引っ掻きもせず、咬む事も無くて。 時たまじゃれている時にも甘咬み程度。
その1年後に私は現在の住居に引っ越し、その折りに子犬(クンクン)を飼い始めましたが、クンクンとの相性も良く、そう...こんな写真の様に、クンクンは「一歩引いて」サイトーを兄の様に慕うのでありました。
サイトーはまた、とても健康で、病気もせずに、動物病院に行ったのは去勢の時だけ。
それが今日、突然の死となった訳です。
昼頃普段通りに「にゃぁぁぁ」と鳴いて家に入ってきて餌を食べ、満腹となったところでまたもや外出をしたのですけれども、その2時間後、呻き声を隣の家の庭(上の写真で言えば右の方)で出していたんです。 地べたにうつ伏せになって、呻く。 最初はいつも通りの小さな声だったので、近所の猫を威嚇しているのかと思ったら、段々緊迫した声となり、よくよく発見してみると、かなり状態の悪い状況。
隣の家の庭だったけど、状況が緊迫しているのがよく分かったので、垣根を越えて近づき、草むらから引っ張り出してみると、もう後ろ足は何も反応しなくて、文字通り「ずるずると引っ張り出された」感じ。 しかも抱きかかえる時に後ろ足が妙に冷たくなっている(血が通っていない!)のがよく分かりました。
ともあれ「家猫」でもあるので、家の中に入れて様子を見ると、後ろ足が全く使えない。 しかも、段々に呻き声が大きくなり、使えない後ろ足を踏ん張ろうとしながらあちこちに移動しようとしているけれども、ただただずるずると這いつくばっているだけ。
すぐさまかかりつけの動物病院に電話し、診断して貰いました。
が、もうこの時点で。 動物病院に行くまでの間でも、呼吸もままならないし、目を見開き、これまで引っ掻きも咬もうともしなかった私の手を引っ掻き噛み付き、これまでの大人しいキャラクターじゃない、余程に「何かがヤバい」状況であう事を院内でも確認し、緊急入院となりました。 緊急処置を施して頂き、酸素室で容体を見定める、という事で我々は帰宅したんです。
...その数十分後...動物病院から電話がありました。
「様態が急変しました。 すぐ来て下さい!」
実は私はその時に悟ってました。 もうダメなんだろうって。 もう死んでしまったんだろうって。
でも、急いで動物病院に行ってみますと、緊急治療室にサイトーが横たわった状態で処置を施されておりました。 まだ生きてる!! あぁ、まだ生きてる! でも...
私達の認識では、これまでに病気一つ掛からなかったサイトーだったので、ここまで急激な体調変化になるっていうんであれば、考えつくのは何か毒物を摂取してしまった事。 しかし、最初に動物病院に連れて行くまでの間に「出来るだけ吐かせる」事前処置をしたにも関わらず吐く様子は一向も見せなかったので、一体どういう病状なのか分からなかったんです。
だけれども、今緊急治療室で治療を施されているサイトーを見て、矢張り毒物の摂取だったんだ、という事が見て取れました。 サイトー君、何かヤバいモノ食っちゃったんだ、って。 我々が一端帰宅して間も無く、サイトーは突然に嘔吐し、そのまま意識が無くなってしまったそう。
次に緊急治療室で我々が見たサイトーは、素人目でも意識不明の状態で、しかも人工呼吸をしないと絶命してしまう程に容体が悪化してました。 あぁ...アカネが取り乱してしまって...。 私は理不尽さをおぼえました。 ちょっと前まで普通にのんべんだらりと生きていたのに、今、もう死にそうになってるんだよ! おかしいじゃないか!
自分が飼っている動物が「死んでいく」のを私は初めて目の当たりにしました。 死は刹那じゃなくて、緩やかに行われていくものなんですね。 「死んでいく」というフレーズに釈然としないのであれば、「だんだん死ぬ」とでも説明すればいいんだろうか。 だって、死亡が確認されてもサイトーの身体には温もりがあったよ。
サイトーは、動物病院に行く時は洗濯ネットに入れられ、屍として帰宅する時は、布に包まれ箱に入った状態で帰ってきました。 サイトー死んじゃって、動物病院からアカネのオプティで俺の運転で帰宅したんだけど、こんな霊柩車で良かったのかな。 俺、道中流石に泣いてしまったんだけど、こんな情けない飼い主の運転で帰って来て、君は幸せだったんだろうかなぁ。
発見から死亡までものの4時間とかなんだよ。 君は4時間苦しんで死んで。 でも俺とアカネはまだ苦しい。 なんて理不尽なんだ。 だからこうやって自分のサイトにエントリーして、ビジターにも苦しんで貰おうと俺は思ってる。 ビジターのみんなには悪いんだけど、padma colorsは俺とアカネのサイトだし、ビジターのみんなはこのサイトで何を得るのか俺は知らないけれどさ、少なくとも俺はこのエントリーで猫の死を書いているから、いたたまれないんだったらどかヨソのサイトでも見てくれな。
サイトーの温もりは、死んで帰宅してもまだ「とても温かい」。
でもね、どう見たってこれさ、死んでるの。 デコピンでもうればビックリして生き返るんじゃないか!?って本気で思ったけれども、もう眼が...絶対に生き返らないシグナルを、ウチの寝室の蛍光灯の反射に少しだけマイナスして映してました。 そう、死んだ動物の眼は、反射が少しだけ足りない。 魂の分だけ足りないんです。
だから、私は庭に出ました。 サイトーの遺骸を埋める穴を掘らないと。
庭に穴掘って、家に入って死んだサイトーを抱き上げるまで。 いや、抱き上げたサイトーを家から庭へ出して、掘った穴へ置くまで。 いや、土を被せるまで。 いや、土を被せて石を置いても、俺はサイトーが例の如く小さな擦れ声で「にゃぁぁぁ」って鳴いて生き返るんじゃないかって本気で思った。
でも、それは現実じゃない。 サイトーは今日毒食らって今日死んで、今日埋められました。
私は思うところがある。 伯父が灯油被って自殺した時とは違う「思い」が今日ある。 これは今後、私の生き方に何かしらの影響を及ぼすと思う。
合掌。
20061016追記:
この件についてメールを沢山頂きました。 ありがとうございます。 お返事を書く気力がまだないので、このエントリーへの追記という事でご勘弁下さい。
頂いたメールの中で、大動脈血栓栓塞症についての言及が幾つかありました。 サイトーの場合も、最初に動物病院で診察して貰った時に大動脈血栓栓塞症の疑いを持たれ、その線で処置を施してもらった事を書き忘れておりました。 申し訳有りません。




