iTunes Store(Japan)  Just MyShop(ジャストシステム)  DELL ノート Inspiron  125x125 商品バナー(AeroMini)

雨月物語

delicious はてな この記事をクリップ! | 2006年06月18日12:18 | 編集

- link -

 ようやく読了。

独創的な幻想が綾なすファンタジックな世界---この幻想空間を描いて他の追随をゆるさない上田秋成「雨月物語」。それは、中国白話小説の用字や修辞を巧みに活用し、芸術的香気ただよう文章のうちに、主人公たちとその運命の悲劇的な情念世界をみごとに造形化した。

「菊花の約」を読む為に買ったようなものなのですが、本文だけだったらネット上で公開されてんですよね、全文。 東京大学総合研究博物館 デジタルミュージアムではスキャンしたものが公開されてますし。

タイトルは知ってても中身は読んだ事無いっていうのは、私もアカネも同じで、「雨月物語を読もうかと思ってんだけど」と私が言えば、アカネは「あれ?読んだ事ないの?」って。 「ありませんよ、君はあるのかい?」「だって教科書に載ってるじゃん」「え?読んだ事ないぞ」「タイトルが載ってるのね」「は?」みたいなね。

「御法度」っていう映画があって、その中に唐突に「菊花の約」が出てくるんですよね。 沖田役の人が、よくまぁあんなに長科白を...ってなもんで、あれで大体の内容はわかったんですが、その解釈の中に衆道っていうキーワードが重要であった事が随分と私の心の中で引っ掛かっていて、そういうのを文学的な中に入れて大丈夫な時代だったんだろうか、と。 まぁそれでも男色が全然普通の時代だったそうですしね。

んで、実際に読んでみたら、原作はもっと衆道的で。 重陽の佳節(菊の節句)に戻るという約束を果たす為、自決し魂となって千里を戻るっていうね。 んで、戻られた方は無念を晴らしに行くという。

...短編集で、怪談とは少し違う、美しい文章であり、語訳・現代語訳・評と解説たっぷりですもので、是非一度読んでみて欲しいです。 文庫本としては高いけど、それなりの価値はあります。

ちなみに、読了して私が個人的に一番印象強く感じたのは、「浅芽が原」の真ん中辺り。 軽率に商売に出て7年ぶりに帰った我が家に居たのは年老いた妻であったが、彼女は既に死んでおり、その念と辞世の句が霊を呼び起こした、というところ。 朝起きると妻がおらず、いつの間にや我が家はボロボロの廃虚と化し(廃虚の表現が素晴らしい!)、妻の筆跡で戒名も死期も無く、あったのは夫に対しての半分恨めしい辞世の句であったんです。 それを読んで妻の死をようやくに実感し、泣き叫ぶ夫。

たった一晩の再会(邂逅)の後、事実を知り、実感をした後に待っていたのは、夜の終わり、高く上っていた太陽の眩しさ。 この夜(夢)と昼(現実)の鮮やかなギャップがあまりに映像的だったんです。

必読だと思うなぁ。




Search

Archives

Contact

■Administrator
padmacolors@gmail.com

■Akane Miyashita
akane.padma@gmail.com
イラスト、デザインのお仕事を承ります!

フィードメーター - padma colors / 

スカウター : padma colors / 

(C) 1997-2008 padma colors All Rights Reserved. Powered by Movable Type. RSS feed