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黒船

delicious はてな この記事をクリップ! | 2006年05月26日21:50 | 編集

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プロデューサーにクリス・トーマスを迎え、本格的に海外制作した日本初のロック・アルバムとして話題になった74年作。名曲「タイムマシンにおねがい」を収録。

 今聴くと、ボーカルに回転数を与えたという「タイムマシンにおねがい」がすごく浮いた風に感じられてしまうこの作品は、演者のサディスティック・ミカ・バンドのみならず、日本の「ロック」の至宝的作品であります。 私、これを初めて買った(買って貰った)時、「欲しいものリスト」にこれと同じくらいのプライオリティーで「或る日突然〜トワ・エ・モワの世界」を書いた記憶があります。 実は「或る日突然~トワ・エ・モワの世界」は未だに持っていないんですけど、これも欲しいは欲しいんですよねぇ。 なんかまるで「ファンク/グラム」対「ソフトロック」みたいでこの対比が我乍笑えちゃう。

それはいいとして「黒船」。 クリス・トーマスのプロデュース力がこの作品にどの程度及ぼされたのかは分かりませんけど、ともあれ名作。 作品中の「黒船」3部作が余りに素晴らしい事は言うまでもありませんが、実は他の曲だって粒揃い。

「墨絵の国へ」という外的な印象から、内的な印象としての「何かが海をやってくる」へ移行するのは、演奏内容に於いて前者が日本的な情緒を持っているのに対して後者が不思議なファンキーさを以て洋楽的であるアンビバレンツに奇妙且つすんなり受け入れられるポピュラーさを保持していておりまして、その逆説的なコンセプトにただただ脱帽です。

「黒船」は3部作であり、この点1日1作な訳でありますが、驚きと混乱そして順応がそれぞれに見事なまで反映されており、且つ最後の「順応」(黒船~嘉永六年六月四日)が作者のライブでラストを飾っていたのを見受けるにも、実は日本的であったと言い得てみたいです。

レコードではここまでがA面で、次からB面になります。

「よろしくどうぞ」はB面一曲目なんで、レコードをターンして一息ついた時に絶好のインターバルです。 そして、加藤和彦の世界が、A面での「墨絵の国へ」以上に飛翔するのをこの作品のB面の特徴をして捉えても構わないかも知れません。 この意味ではA面は「高中正義の世界」なのかも知れませんが...。

「四季頌歌」と「さようなら」は、他の曲のファンキーさとの対峙を見ても叙情的であり、若い人には受け入れ難い部分があるかも知れません。 事実私もそうでした。 でも、或る程度年齢を重ねると、こういう曲が聴いている自分の体に「滲む」ような気さえするんです。

勿論「塀までひとっとび」も収録されてますしね、これは聴いた事の無い若者に是非聴いて貰いたい作品です。 「派手」であり「叙情」であり、渾然一体として希有な名作なんですよね。




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