聖母伝説
バー「四番地」のマネジャー月岡哲郎は、久しぶりにあった幼なじみの谷口怜悧男を店に雇い入れる。ある晩、暴漢に狙撃された谷口は奇跡的に一命をとりとめるのだが、その体には驚くべき秘密が隠されていた!一方、SF雑誌のコンテストに入選した月岡にも新たな人生が始まろうとしていたのだが......。現代の"処女懐胎"を軸に、様々な人間模様を描く、半自伝的ロマン!
半村良のバーテンものは「雨やどり」なんてな傑作で定評あり。 それと言うのも作者自身がバーテンを始め、様々な職業に就いていた事が作用している風に思えます。 「半自伝的」っていうのは本当らしい。
夕べ、風邪で熱があがりつつ夢中で読んだのがこの作品。
私が半村良作品を好むのは、会話のやりとりが良いからで、とてもスムーズに会話が進むので、自然と引き込まれていくように読み進めてしまいます。 語尾を濁す独特の口調なんてどうだろう。 一寸凄い。
それはともあれ、正直どの部分が半自伝的で...要はどれが創作でどれが事実なのか...っていうのは本当にどうでも良いことなんですが、それを吹き飛ばすような結末には圧巻されます。 恋人であり束の間の妻にもなった光子から「私に小説書いて」と言われたのを思い出し、書こうと。 題名は「聖母伝説」に決めてあった、と。 それで小説は終わるんですけど、その実最初に戻っている訳で、扉に
---- 光子に捧ぐ ----
と記してあるのを読者は発見するのです。






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