八月の濡れた砂
『十八歳、海へ』の藤田敏八監督が、若者の持つけだるい感性をスピードとセックス、そしてバイオレンスによって描いた異色青春ドラマ。ギラつく真夏の湘南、高校生・清は不良学生に暴行を受けた少女・早苗を目撃し、やがて彼女とつるむようになるが...。
そもそもは原田芳雄さんが神父役(笑)で主演されているから観た訳ですけれども、藤田敏八さんの監督作品っていうのは矢張り侮れない。 しかも脚本チームの中にあの大和屋竺さんが加わっている事で、期待はもっこり膨らむのであります。 蛇足ですが藤田敏八さんが平壌出身だと今回初めて知り、妙な感慨を得ました。
さておき、「青春映画」の枠を大きく逸脱するこの映画の暴走ぶりは特筆に値するところでありまして、藤田敏八さんならではと言ったところ。 主演の村野武範さんが今と同様にむさ苦しく横暴で、作品を確固たる傾向にベクトル付ける点に大成功を収めております。 兎に角やりたい放題で、若さゆえの無謀。
ここまでひどくは無いですけれども、夏(休み)っていうのは大方こんなもんでありまして、何とも懐かしい匂いがします。
それにしてもテレサ野田(西園寺たまき)さんが素敵。 しかもこの時(1971年)14歳っていう事で、もう犯罪スレスレじゃないですか!(笑) テレサ野田さんは妙に若いし、村野武範さんは年寄り臭いし、年齢という部分では謎すぎる映画ですけれども、内容はおすすめ出来ます手放しで。 1970年頃の海水浴のシーンがふんだんに織り交ぜられ、当時の風俗を知るにはとても貴重な資料的価値もあり、且つ、砂浜で演奏するっていうシーンすらあり、勿論実際には演奏していないんですけども、思わず見入ってしまう事間違いなし。 今じゃありえない映像であります。
最後の石川セリさんのテーマ曲で涙し、一件落着、という名作。 音楽も格好良い!




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