出張
永遠のアウトローであり続ける映画監督・沖島勲がデビュー作「ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ」から20年ぶりにメガホンをとった伝説のブラックコメディー。石橋蓮司扮する中年のサラリーマンが、出張中に突然ゲリラに拉致されるのだが…。荒唐無稽なストーリーに、現代への鋭い批評眼が見え隠れする異色の傑作。
この「ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ」という作品もとても観たいのですが、今日はそれから20年ぶりに製作されたという「出張」を観ました。 そんな監督の沖島勲さんは「まんが日本昔話」の脚本を数多く手掛けられた事で有名なんだそうです。 すいません知りませんでした。 さておきそんな沖島勲さんの4作品がボックスで発売されております。 「OKISHIMA WORLD 沖島勲全集」です。
さて、「出張」ですけれども、時代はバブル期っていう事なんですけれども、その必然性がストーリーと全く関連していないところに先ず笑えます。 バブルよりももっと前、70年代の匂いすらしておりまして、その時この映像で良かったのか、アナクロなのではないかと一瞬思いました。
関連性の薄さで言えば、実は全てに当てはまりそう。 出張が落石によって中断を余儀なくされるのですけれども、近くの温泉場に行く関連性。 温泉街の飲み屋の女将2人と絡む関連性。 そして次の朝にゲリラに遭遇する関連性。 全て薄い。 笑ってしまうほど荒唐無稽で変な意味でのトリップ感。 普通の意味での現実喪失感を味わえます。 そう、映画なんでリアリティーがどうしても必要ではないので、こういう映画の在り方も良いのではないでしょうか。
それでも尚、バルブ期の物語という設定に固執している為、それらしい独白やら何やらが塗されております。 それを観ながら自分自身の記憶を手繰り寄せてみても、いや、こんな風な古臭さは無かったように思われるですよ。 そういう部分において、良い意味で言えば時代性の希薄さが逆説的に成立しているのかも知れません。 だってゲリラに遭遇しちゃうんですよ。 あのなぁ、って。
主演は石橋蓮司さんと原田芳雄さん。 石橋さんは一寸前に缶コーヒーのCFに出演されておりましたが、この「出張」での主人公がそのまま出世したと思って構わない位のハマり具合。 悲哀があってキレ方が怖い感じの中間管理職をやらせたら右に出るものはありません。 原田芳雄さんはゲリラ隊の隊長さんが役どころ。 何とも掴み所の無いトボけた雰囲気は原田さんならではで、原田さんファンの私としてはこの作品、原田さん目当てで観た訳なんですけれども、この作品でも相変わらずの演技で感動です。 っていうか世の監督という監督は原田芳雄さんに「原田芳雄」というキャラクターを演じさせ、その上で便宜上それなりの配役をしておるに過ぎないのではないかと(回りくどく)考えさせます。 だって山肌で見下ろす機動隊(?)の反撃に飄々と怯んで撤退するんですから。 眩暈がする程素敵。
そんなこんなでダメな人にはダメでしょうけれども、当サイトで紹介している「あっち系」の作品が好きな方であれば必見。 そうじゃなければ絶対に観ない方が良い作品なんでありました。
全然関係無いですけど、エースデュースエンタテインメント繋がりって事で「神田川淫乱戦争」が最近超観たい。 恐らくこれがナンバーワン。





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