御法度
映画館で観て、DVDで観て、またDVDで観てしまうという。 そんなに良い作品なのかと問われると、答えに窮してしまうのが正直なところでありますが、決して駄作ではないこの微妙さが3回も観させる魅力なのでしょうか、と書くとすごく不自然ではあります。
先に書いてしまうと、この映画の唯一の欠点は妙な台詞回しであります。 棒読み、としてしまえば簡単なんですけれども、ビートたけしさんまで「棒読み」のシーンがあるのは如何なものか。 役者さんの力量なのか、それとも棒読みにさせてしまう台詞自身が問われるのか、まぁどっちでも良いけど欠点である事に間違いはありません。
それを差し引きさえすれば、私はこの映画をオススメしますです。
まず音楽が良いです。 新撰組モノと言えばアッパー系を想像してしまいますけど、坂本龍一さんはここで重さと艶を提供します。 映画全体が何か分からない不気味な空気に覆われ、更にその空気に圧迫感が加わり、少しばかりの息苦しさを観る側に与えます。 これだけでもこの映画は成功しております。
1人の美少年をめぐり、狂気を帯びた混乱に陥っていく武闘派集団・新選組の有様を描く。
池田屋の後(そう言えば大河ドラマは来週に池田屋ですね)を舞台に設定したのは、それまでの上り調子であった新撰組の華やかさを捨て、墜ちていく混沌に見合います。 新撰組という男性集団しかも武力集団、そしてそれらと「衆道」という性的な問題。 江戸時代に於いて衆道というのは決してタブーではなかったそうですが、時代は幕末京都、明治維新に突き進む前哨戦的時代性と衆道との絡み合いはどうにも不思議な雰囲気すら漂わせます。
ちなみに松田龍平さんについて、特に感想もありませんので言及しません。
この映画では主役クラスよりも脇役の演技が素晴らしい。 田口トモロヲさん演じる湯沢藤次郎、トミーズ雅さん演ずる山崎烝、そして坂上二郎さん演ずる井上源三郎。 更に脇役出ありましょう的場浩司さん、寺島進さん、そして桂ざこばさん。 それぞれが元々の持ち味を活かしつつ演じられてます。
キャスティングの時点で映画はほぼ完成している、といったような大島渚監督の発言をどこかで聞き及んだ記憶がありますけれども、まさにそれを証明した形となっております。
放たれた混乱は結局、静まらず。 そのまま崩壊へと行き着きそうな予感を孕み、映画は終わります。





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