イピカイエ
昔「ゴールデン・ハーベスト」という日本のマイナー系のバンドがあったそうだ。 今や「マイナー系」と言っても実はマイナーでも何でもなく、相当にメジャー然たるものもあるのですけど、この場合はそれならば「超マイナー」とか「とある」と言い換えても可。
その後バンド名は「ゴールデン・コブラ」と改名されるのですが、私は最近になって「ゴールデン・ハーベスト」の意味がわかったりしますから、人は生きる事が重要なのかも知れません。 ひょんな事で胸のつかえがおりたりしますから。 もう大変だ。
ゴールデンコブラというバンドは、私はファンクっぽいバンドとして捉えております。 だがしかし、音源を持っている人なんて全世界を見渡しても、更には海外に流出しているワケなんぞありましませんから、音源持ってる人の十人中十人は日本人の筈です。 その位マイナーな話を今している訳でありまして、果たしてこのエントリーをpadma colorsで興していいのかどうかはわかりません。 けれども、そもそもpadma colorsなんで何でもオッケーだろ、と。 そういうサイトなんだよ、と。 ごめんなさい。
ファンクという音楽ジャンルは、それだけで成立する程の最重要アイテムでありながらも、何故か「エンターテイメント」的エレメントが付随するのが何故ならばと言えば、それは単に音楽というか演奏の「場」がエンターテイメントの最重要アイテムなのでありますから、音楽ジャンルとエンターテイメントは必ずしも結びつき、それは「演奏の場」としてのライブに注目すれば自ずと解決される命題であると共に、オーディエンスはエンターテイメントをライブに期待するところであります。
そうじゃなきゃCD聴いてて済む話です。
このゴールデンコブラというバンドの、ボーカルの人はMCでファンに向かって
グレイト! サクラ・グレイト!
等と、ファンしか居ないだろうと思われるフロアー(マイナーバンドのブッキングでは、お目当てでないバンドを真面目に聴こうとしない傾向があります)に向けてMCカマすのでありまして、
やや! こちとらファンなのにサクラとか言われてしもうて...
とか最初は思うには思うんですけども、ライブなんざ要は盛り上がるだけ盛り上がれば良いですし、その後の打ち上げでメンバーさんが沈まないようなシチュエーションをライブで作り上げておかなければならない...って、なんでそこまで用意させなくちゃならんだよ!
なんて事は全世界(若しくは場末の居酒屋)に渡り、ありがちな事かも知れません。
しかしながらこのゴールデンコブラは、サクラだと言われてしまえば「サクラでーす!」みたいに反応してしまう妙な空気がどこかからか醸し出され、客(既にサクラ)は思いっ切り呑み込まれてしまい、これまでゴールデンコブラを知らない客すらファンにさせてしまう妙な力を持っておりました。
すごいバンドだったと思います。 客(サクラ)に向かってのMCでJBの「イェイ!」が実は「ギュエイ!」なんだぜ!と諭すなんて正気の沙汰とは思えませんし、演奏前に時間があるからって場繋ぎ的に勝手にMCやりまくって客を取るなんて横暴にも程があります。
そんなこのバンドの欠点は、ボーカル以外のメンバーの流動が激し過ぎる事でした。 なのに「歴代メンバー」がライブに集結し、客として一緒に盛り上がってしまうという、何とも言えない良く言えば「グローバルな一体感」悪く言えば「グローバルな一体感」を温存するところでありました(要は「グローバルな一体感」)。
当時のメンバーセットでの音源は確か、カセットテープでの配付で3作品位存在する筈です。 拙宅にもある筈ですので今度探してみたいと思います。
そんなゴールデンコブラのボーカルさんが、バンド解散後に新たに結成したのが「ソーサナー」であり、作品「イピカイエ」は現存すると思われる唯一の音源であります。
この音源がどの位プレスされセールスされたかは知りません。 拙宅には2枚あります。
この作品で聴かれるのは、決して新しくない音です。 どちらかと言えば泥臭い感じの、まったりしたリズムが蔓延っているところながら、ところどころキメをカマしていたりする事で均等を保っていたり、曲によっては全編アーバンな(笑)雰囲気であったりしております。 ベクトル的に言えば何曲かはシュガーベイブとかに通じる部分があります。 その現代的な解釈と言っても良いかも知れません。
残念なのは、フリージャズ系のサックス奏者さんが全面参加とかしており、曲間の橋渡し的にボーカルとセッションしている小曲があるところ。 これははっきり言って要りません。 もしこの作品を入手しましたならば、AAC化する時にこれらをバッサリ外す事を強くオススメします。
尚、このバンド「ソーサナー」には公式サイトがあったのですが、現在では閉鎖されている模様です。 恐らく解散したか自然消滅したかでしょう。 再評価が待たれるバンドであります。



