鴨川物語—哀惜新選組
この頃本屋さんに立ち寄ってみますってぇと、大河ドラマの影響からか「新撰組フェア」まっさかりなのでありまして、前回の「武蔵」のようにならなければいいな等と一人ほくそ笑んでみたりではあります。
そのフェアにて並んでいる書籍は、どうにも大河ドラマにあわせて発刊されたような軽薄なものが半分くらいで、こんなん間違って買ってしまったら後々後悔する程度なら良しとしても、新撰組自体に後悔されては敵いません。
ただし、こんなブームの中でも評価される動きと言うものは必ずしもありまして、且つそういうものは積極的に探さなくてはなりませんでして、それを億劫がるのは私の性分ではありません。
私としてはとっくに新撰組ブームは去り、とりあえず大河ドラマは楽しんで観ているものの、今更関連書籍を買い求める事はしないのではありましたけれども、この「鴨川物語」だけは買ってしまいました。
京都の母なる川、鴨川で髪結の店を開く兄弟や、岡田以蔵たちによって、この川で凄惨な最期を遂げる公卿、目明かし。幕末絵巻の中に、新選組の面々や勤王の志士たち、そして彼らをとりまく人々の人生が鮮やかに浮かび上がる。幻の名作復活。
作者である子母沢寛さんは「新選組始末記」「新選組遺聞」「新選組物語」という新撰組3部作を著した方で、新撰組について知りたいならば何とともあれこれらを最初に読むべきです。
そんな著者が最晩年に書いたのがこの「鴨川物語」です。 虚実交えて面白い小説となっておりまして、その文体も切れ味があってなかなかに読む進められます。




