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Herbie Hancock

delicious はてな この記事をクリップ! | 2003年10月22日11:07 | 編集

(2003/09/02頃、前サイトで書いたもの)



cover私にとってハービー・ハンコックの、ジャズプレイヤーというよりも妙な曲を演奏する「既にジャズでなく」なキーボード・プレイヤーとしての認識は、映像としてはブラック・ウフルと同じステージに出たライブ・アンダー・ザ・スカイか、若しくはグラミー賞でのパフォーマンスだったかのどちらかです。 そのライブ・アンダー・ザ・スカイでは、ハービー・ハンコックよりもジャコ・パストリアス(それよりもギル・エバンスの指1本プレイがかっこよかった)や前述のブラック・ウフルのパフォーマンスが素晴らしかったので、矢張り認識としてはグラミー賞かも知れません。 また、そのグラミー賞のパフォーマンスでは、ハービー・ハンコックよりもユーリズミックスの方がインパクト大だった...というオチを手始めに書いておきます。

更に言えば、この「Future Shock」から遡ること10年前のファンク路線の方が、私は好きだ、好きだというよりも大好きです(公式サイトのフラッシュで腰砕けです)。 ファンク路線なんだけど純然たるファンクではなく、あんまり揺れていない妙竹林なファンク...それをして私は「ジャズ・プレイヤーがファンクをやるとこうなるのかよ〜(苦笑)」という結論を早々とつけたのでありました。 それ以来、私はファンクとジャズを明確に分けました。 そしてその境界線にハービー・ハンコックが位置づけられているのです。

これが前提です。 そして先に余談を記しますが、タイトルトラックがカーティス・メイフィールドの曲なんだと今日気付いた次第です。 ダメダメな私です...。

Future Shock」は妙に売れたような記憶があります。 スクラッチを大胆に取り入れ...と言えば簡単ですが、そんな風に簡単に言える程スクラッチだらけで(笑)今聴くと古臭い。 これは今、2003年に聴く音楽じゃないな、と少々感じたりです。

...どこでFairlight CMIを使ってんのかさっぱりわかんねー。

が、それは一般的に言えば、の話なだけで、私のようなアナクロ人間にはそういう事はどうでも良く、うっかり今日なんて「Future Shock」を聴いてしまったものですから、プチはまってしもうたです。 良い意味でこれは懐メロ的に捉えるのが良いのではないでしょうか。 いや〜、ビル・ラズウェルも素敵な仕事をしやがったな!って感じです。 そしてこの後だかにビル・ラズウェル(というかマテリアル?)はPublic Image Limitedの録音に参加するんですよね。 で、PILは忘れ去られてしまう、と(笑)

とかなんとか悪態つきながら聴いてはおりますが、決して「Future Shock」が今聴くと駄作なんだと言いたいのではありませんでして、実はなかなか良いんです。 そつなくこなす、とでも言うんでしょうか、安心して聴けちゃいまして危なっかしいところがありません。 今やこういう雰囲気のジャンルがどこに存在しているのか知り得ませんし、もしかしたら無いのかも知れませんけれども、いや無いに違いないと勝手に決めつけてしまいますけども、「Future Shock」以後に雨後の筍よろしく同じような雰囲気の曲が沢山リリースされたような気がします。 気のせいかも知れません。 何故なら、「それは全部ハービー・ハンコックだった」のかも知れませんから。

ダメだ、良く書けません。 ので、最初に書きました「ファンク期のハービー」を紹介して〆たいと思います。 この3枚は私の愛聴盤であります。

cover「ファンクへのめざめ」とでも申しましょうか、妙なファンクを始めてしまった(私にとっての)ハービー・ハンコックの問題作。 全体としては全然揺れないファンクなのに、ベースだけ聴くとグイグイ引き込まれてしまうところが素晴らしい。

cover次の作品では、私的にはかなり腰が揺れます。 ですが、アクセントがファンク/ソウルには有り得ない場所にあるので、椅子に座って聴いていると腰からずり落ちてしまいます(笑) 要するに「腰の落ち着き場所が不明」な、変なファンク。 でもファンクです。 というか、ハービー・ハンコックはこれらで特には「ファンクをやるぞ!」という意気込みでは無いんじゃないかと。 「俺的ファンクの解釈」なだけちゃうかと。 リスナーが強いてジャンル分けするのに「ファンク」を引き合いにするだけなのではないかと思うところ。 ヘッドハンターズよりもこっちの方が私は好き(比較して売れてないみたいだけど)

cover笑ってしまうことに(失礼)ライブ盤。 しかも渋谷公会堂でのライブです。 そして、ハービー・ハンコックのファンク期の総決算的な作品でもあり、私が一番好きな1枚であります。 1曲目はファンクじゃない曲「処女航海」であり、美しい調べのピアノから始まるこの作品は、この後徐々にスリリングな展開を予兆させ、インターバル無しで続く2曲目では「取り敢えずファンクとかは置いといて」も構わない位のハイテンションなインプロになります。 各メンバーの演奏する音の粒が、他のそれらと喧嘩しているんじゃないかっていう程に濃厚にぶつかり合い、拡散して、最早「洪水」のようにリスナーの耳に押し寄せ、気合いを入れないと乗り遅れてしまいそう。

私がこの作品を一番好むのは、このライブ盤のタイトルが「洪水」であることでして、まさに看板に偽り無しだからなのです。 ジャズ・プレイヤーのハービー・ハンコックがファンクを取り入れた作品を数枚リリースし、その後このライブ盤をリリースした経緯なのですけれども、ライブというものは生き物であり、予定されたものが全て実現する事は非常に稀です。 また、その予定調和が崩れる切迫さがライブの醍醐味であり、且つ、プロのミュージシャンのそれではテクニックとメンバー間のグルーブが醸し出す全てがある時は、スタジオ録音盤よりも爆発されてリスナー(オーディエンス)に命中する率を高めますし、その命中度の高さがグルーブ感を最高潮に高めるのであります。

この作品で聴くことの出来る内容は、最早ジャズやファンクで各々語れない領域に達し、またジャズとファンクと併せて語る事も憚れる位のテンションの波でありますから、「洪水」とはよく言ったものです。 波と言うよりも洪水なんですよ。

このアルバムは、CDでは1枚ですけどアナログでは2枚組でした。 なのに全7曲というのは詰まり1曲が長いのでありまして、最後の「Hang Up Your Hang Ups」は20分弱もあるんです。 けれども、この曲がこの作品のキモです。 あれ?最後の曲はファンキー気味?と、聴く側を一寸混乱させちゃいます。 ベースのフリーキーなフレーズが印象的ながらも、少しづつ展開され崩され崩して、他の楽器が寝技的に乗り掛かり、ジャズに犯されたファンクが(どうやらモードらしいスケールの)エレピにジャックされてしまいます。 辛うじてギターのカッティングがファンクを思い出させてくれますけれども、そのギター・カッティングすらもファンクでは無くジャズを思い起こさせ、ながらもファンクを保ち..つつ....というような「結局なんだかわからん」状態のまま曲は突っ走るのです。 同一線上にファンクがあり、すぐさまジャズが襲い、占有されそうになるとファンクが持ち直し、と、非常に忙しい(笑) 詰まり音とジャンルの「洪水」なのであります。

ハービー・ハンコックは純然たるジャズの作品が良いんですよねぇ(滅)


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